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物語

遺伝子操作、あるいは天変地異か…詳細不明の異常事態によって、人間と海洋生物のハイブリッド種族、海人(かいじん)、鞘人(しょうじん)…そのほか様々な種族が生まれた世界。

基本的にみな人に似た姿を取りつつも、とりわけ食については種族ごとに大きく異なっており、種族間での食い合い・殺し合いが途方もなく続いている。政府は種族たちの肉を使用しない代替食を普及させることによって、なんとか均衡を取り戻そうとしていた。

多くの海人たちが暮らすドーリス街では、そんな政策に逆らうように生きた海人を襲って食い殺す「共食い」による殺害事件が増加の一途をたどっている。

覆しようもない食物連鎖になすすべもなく多くの命が食い殺されていく中で、失い、残された者たちは復讐のために「共食い殺し」となり、不毛ともいえる戦いに身を投じていた。